受講者名簿の先頭に社長の名前を書いていました — AI研修の助成金で対象労働者から外れる役員・パート・出向者を、10月開始前に見分ける4つの線引き

この記事の事例は、実際にいただくご相談をもとにした想定ケースです。特定の企業を指すものではありません。

10月開始のAI研修に向けて受講者名簿を作ったところ、1行目に代表取締役の名前が入っていた、というご相談をいただくことがあります。社長が一番熱心で、当日も最後まで座っているのですから、名簿の並びとしては自然です。ただ、人材開発支援助成金が数えているのは「研修を受けた人」ではなく「対象労働者」です。熱意の順で名簿を作ると、最初の1行で計画が止まります。

名簿は肩書きではなく、雇用保険の被保険者かどうかで切られます

名簿を起こす前に見るもの

人材開発支援助成金の対象労働者は、原則として申請事業主に雇用される雇用保険の被保険者です(厚生労働省の人材開発支援助成金のページ)。判断の根はここ一本です。「うちの社員かどうか」でも「業務に必要かどうか」でもなく、被保険者番号が出る人かどうかで見ます。

ですから、名簿を起こすときに机の上へ置くべきものは、研修の申込フォームではありません。雇用保険被保険者資格取得等確認通知書と労働条件通知書です。この2枚を先に見ておくと、後から差し替える手間がなくなります。

4つの線引きを、条件ごとに結論まで出します

先に片づける順番

名簿に載せがちな立場 対象労働者としての扱い 10月前に確かめる書類
登記されている取締役・監査役の立場 原則として外れる扱い 履歴事項全部証明書
取締役と部長を兼ねている立場 労働者性の実態で分かれる扱い 兼務役員雇用実態証明書
週の所定労働時間が20時間未満で働く立場 被保険者にならず外れる扱い 労働条件通知書
在籍出向で他社から来ている立場 賃金を主に負担する側で数える扱い 出向契約書と賃金台帳

2行目と4行目は、書類を見ないと結論が出ません。1行目と3行目は、書類を見れば当日中に結論が出ます。先に片づける順番はこちらです。

役員は「登記」ではなく、働き方の実態で分かれます

役員まわりの線引き

登記された取締役や監査役は、原則として労働者ではありませんので、名簿からは外れます。一方で、取締役でありながら部長として指揮命令を受け、役員報酬とは別に賃金を受けている、いわゆる兼務役員の場合は、労働者性が認められて被保険者になっていることがあります。この判断は貴社が行うものではなく、ハローワークが兼務役員雇用実態証明書などをもとに行います。

つまり、名簿に載せてよいかどうかは「社長の弟だから」「取締役だけど現場に出ているから」では決まりません。すでに被保険者資格が認められているかどうかだけを見ます。事業主と同居している親族も、同じ理由で原則として外れます。対象労働者の欄そのものの埋め方は、訓練計画届の書き方に沿って先に固めておいてください。

あわせて読みたいAI研修の「訓練計画届」を8月に書き始める — 人材開発支援助成金で最初につまずく対象労働者・訓練時間・OFF-JT区分

パートと出向者は、外れるのではなく「どこで数えるか」が変わります

雇用保険の適用ライン

雇用保険法第6条では、1週間の所定労働時間が20時間未満である人と、同一の事業主に継続して31日以上雇用される見込みがない人は適用除外とされています(e-Gov法令検索の雇用保険法)。週18時間のパートの方は、研修に最後まで出席しても対象労働者にはなりません。逆に、週20時間以上で被保険者になっている方であれば、有期契約でも名簿に載る余地があります。「正社員だけが対象」という思い込みで、載せられる方を落としている例のほうがむしろ多く見受けられます。

出向者は、在籍出向か移籍出向かで見る場所が変わります。在籍出向で二重に被保険者になることはありませんので、主たる賃金を負担している側の会社が名簿を持ちます。派遣で来ている方は、雇用しているのが派遣元ですから、派遣先である貴社の名簿には入りません。なお、季節的に雇用される短期雇用特例被保険者や日雇労働被保険者のように、被保険者であっても対象区分から外れる扱いがありますので、最新の支給要領と管轄の労働局で確認してください。

名簿は申込書ではなく、人事データから起こします

生成AIには、可否の判定をさせないでください。させるのは、確認すべき点の洗い出しです。氏名や被保険者番号は貼らずに、条件だけを渡します。

AI研修の受講予定者について、人材開発支援助成金の対象労働者に
該当するかを社内で確認したい。氏名は伏せ、次の条件だけを渡す。

- 立場: 取締役兼務の営業部長 / 週18時間のパート / 在籍出向で受入中の1名
- 確認したいこと: どの書類のどの欄を見れば結論が出るか

各条件について「見る書類」「見る欄」「その欄がどうなっていれば
労働局に確認が必要か」を3列の表にして出力してください。
可否の断定はせず、確認先も併せて示してください。

洗い出した論点は、そのまま労働局への質問文にします。

上の表のうち「労働局に確認が必要」となった項目について、
電話で聞くための質問文を1項目1文で作ってください。
前提となる事実を先に述べ、次に聞きたいことを1つだけ書く形にします。

実施報告まで見据えるなら、名簿の氏名表記を出勤簿・賃金台帳と揃えておいてください。旧姓や外字の違いだけで、照合が止まります。受講者が途中で抜けたときの数え方は受講者が途中で辞めた場合の線引きにまとめています。支給額や上限、要件は年度ごとに見直されますので、人材開発支援助成金の各コースのページで最新の支給要領を確認したうえで進めてください。制度の全体像はAI研修に使える助成金・補助金まとめに整理しています。

えらびの道では、半日の単発研修と標準コースの「研修」、実業務に伴走して定着させる「コーチング」の2軸でAI活用を支援しています。人材開発支援助成金や自治体の人材育成補助金を使う場合には、訓練計画届に載せる対象労働者の整理、カリキュラムと職務の対応づけ、受講記録の様式の準備までをご一緒します。可否の判断そのものは労働局が行いますので、当社が行うのは、確認すべき点を漏れなく並べ、窓口に聞ける形に整えるところまでです。10月開始で組む場合は、8月中に名簿の下書きを見ておくと余裕が生まれます。

受講者名簿の線引きから、えらびの道でお手伝いできること

合同会社えらびの道は、大分県の中小企業に向けて生成AIの業務活用研修を行っています。研修専門の会社ではなく、普段はシステムの受託開発と自社サービスの運用をしていて、生成AIもそこで毎日使う道具のひとつです。机上の知識ではなく、手を動かしてきた範囲でお伝えします。

研修では、貴社が実際に使っている書類をそのまま題材にします。この記事で扱った受講者名簿の作成や、労働条件通知書と賃金台帳の突き合わせのような総務の作業を持ち込んでいただき、どこまでを生成AIに任せ、どこから人が確かめるのかを一緒に線引きします。翌日から使える形で持ち帰っていただきます。

大分市の人材育成応援事業などの補助金を使う場合は、申請書類の作成もお手伝いします。対象労働者に当たるかどうかを判断する立場ではありませんので、可否の確認は労働局と進めていただく前提で、名簿の下書きとカリキュラムの対応づけを整えます。ヒアリングに伺うのも当日に立つのも代表の喜多です。

10月開始で組むか決めかねている段階でも構いません。えらびの道では、オンラインで30分ほどのご相談を承っています。費用はかかりませんので、今の名簿と止まっている行をお聞かせください。

よくある質問

社長や役員はAI研修の助成金の対象になりますか?

登記されている取締役や監査役は労働者ではありませんので、原則として対象労働者から外れます。取締役と部長を兼ねていて、労働者性が認められて雇用保険の被保険者になっている場合は対象になる余地がありますが、判断はハローワークが行いますので事前に確認してください。

パートやアルバイトもAI研修の助成金の対象になりますか?

雇用保険の被保険者であれば、有期契約でも対象になり得ます。週の所定労働時間が20時間未満の方は被保険者になりませんので外れます。正社員だけが対象と思い込んで、載せられる方を名簿から落としている例が少なくありませんので、労働条件通知書で確認してください。

出向してきている社員を受講者名簿に入れてもいいですか?

在籍出向の場合は、主たる賃金を負担している側の会社が雇用保険の被保険者として扱いますので、そちらの名簿に載せます。派遣で来ている方は雇用しているのが派遣元ですから、受入先である貴社の申請には入りません。出向契約書と賃金台帳で先に確かめてください。

ご相談は、お電話が一番早いです

研修の内容・料金・補助金の使い方まで、その場でお答えします

097-507-3082

不在時は折り返しご連絡します

この記事は、生成AIで下書きを作成し、実務経験にもとづいて内容を確認・編集したうえで公開しています。制度・金額・要件は年度や状況によって変わるため、実際のご判断の前に公式の窓口でご確認ください。

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