
Microsoft 365 Copilotを全社40ライセンス入れて半年、毎日使っていたのは4人だった — 解約か継続かを決める4つの判断軸
この記事の事例は、実際にいただくご相談をもとにした想定ケースです。特定の企業を指すものではありません。
大分県内の建材卸売業、従業員46名です。2026年1月にMicrosoft 365 Copilotを40ライセンス契約しました。月額は1ライセンス4,497円(年間契約)で、月180万円弱……ではなく、月17万9,880円です。年間で215万円強になります。
導入の理由は明快でした。「みんなExcelとWordとTeamsを毎日触っている。そこにAIが乗るなら、いちばん抵抗が少ないはずだ」。専務の判断で、部長会の承認を経て一斉に入れました。
そして7月末、更新の3か月前になって、管理部の担当者が利用状況レポートを開きました。
「アクティブユーザー34人」の中身
Microsoft 365管理センターのCopilot利用状況レポートには、こう出ていました。
過去28日間のアクティブユーザー:34人
一見すると、40人中34人が使っています。定着率85%。悪くない数字に見えます。
ところがこのレポートの「アクティブ」は、対象期間内に1回でもCopilot機能に触れた人を数えています。Wordの画面に出てくるCopilotアイコンを一度クリックして、何も入力せずに閉じた人も1カウントされます。
そこで担当者は、レポートを機能別・日別に分解し直しました。
| 分類 | 人数 | 内訳の中身 |
|---|---|---|
| 週4日以上使用 | 4人 | 営業2名、管理部1名、専務 |
| 週1〜2回 | 9人 | ほぼTeams会議の要約のみ |
| 月1〜3回 | 21人 | アイコンを押して閉じた記録が大半 |
| 0回 | 6人 | 起動履歴なし |
毎日使っていたのは4人でした。40ライセンスのうち36ライセンス、月額にして16万1,892円が、ほぼ動いていませんでした。
使っていた4人が、何に使っていたか
ここで多くの会社は「定着しなかった原因」の分析に入ります。この会社は逆をやりました。使っていた4人に何をしていたか聞きました。
出てきた用途は、想像より狭いものでした。
営業の2人は、Outlookの「メールのまとめ」機能だけを使っていました。案件ごとに30〜50通たまったスレッドを、訪問前に3行に要約させます。1件あたり10分の読み直しが2分になります。1日4〜5件回るので、週に2時間半ほど浮いていました。
管理部の1人は、Excelの数式生成です。仕入先別の集計表を作るとき、条件付きの数式を自分で書くと20分かかっていたのが、日本語で頼めば3分で出ます。ただし出てきた数式は必ず検算していました。
専務は、Teams会議の要約と、部長会向けの資料の骨子出しでした。
共通していたのは、4人とも「毎週必ず発生する、決まった形の作業」に貼り付けていたことでした。使っていない36人に聞くと「便利そうだとは思うけど、何に使うか思いつかないまま半年経った」という答えが返ってきました。
継続か解約かを分ける4つの判断軸
この会社が更新判断のために置いた基準は、次の4つでした。
軸1:Copilotでなければできないか メール要約も数式生成も、ChatGPTの有料版(月20ドル・約3,000円)に貼り付ければできます。Copilotの固有価値は「社内データにアクセスできる」点にあります。使っていた4人のうち、SharePointやOneDrive上の社内文書をCopilotに探させていたのは専務だけでした。残り3人の用途は、汎用AIで代替可能でした。
軸2:1人あたりの回収額が単価を超えているか 営業2人は週2.5時間×1時間あたりの人件費2,250円=月2万2,500円相当です。単価4,497円に対して十分に見合います。一方、月1〜3回の21人は回収がゼロに近い状態です。
軸3:使っていない人は「使えない」のか「使う場面がない」のか 0回だった6人は全員が現場と配送の担当で、そもそもPCを開くのが日に1回です。ここは研修をしても変わりません。一方、月1〜3回の21人の多くは事務職で、業務の中に貼り付ける場所はありました。
軸4:3か月後にもう一度測れる状態か 測る仕組みがないまま増やすと、また半年後に同じ会話をすることになります。
40ライセンスを12に絞り、そのぶんを別に回した
8月の更新で、この会社は次のように再設計しました。
- Copilotライセンス:40 → 12(毎日使う4人+事務職で用途が特定できた8人)
- 削減額:月12万5,916円
- そのうち月4万円を、汎用AIの共有アカウント(部署単位で5契約)に振り替えました
- 残りは、四半期ごとの用途棚卸しの実務時間に充当しました
そして重要だったのは、12人に「何に使うか」を先に書かせたことでした。
以下の条件で、私の業務のうちAIに貼り付けられる作業を洗い出してください。
【私の役職・担当業務】
(例:営業事務。受注入力、見積書作成、請求書発行、電話対応)
【条件】
- 週1回以上、決まった形で発生する作業に限る
- 作業時間が1回15分以上のものに限る
- 出力を人がチェックできる作業に限る(丸ごと外部に出すものは除く)
【出力形式】
| 作業名 | 発生頻度 | 現在の所要時間 | AIに任せる範囲 | 人が確認する点 |
上位5件だけ挙げ、それぞれ「なぜAIが向くか」を1行で添えてください。
12人全員が出した表を管理部が集約したところ、重複していた作業が3つありました(見積書の文面、来客対応メールの下書き、月次報告の数字コメント)。この3つは共通のテンプレートを作って全社に配りました。ライセンスを持たない人も、テンプレートの恩恵は受けられます。
3か月後に測る指標を、先に決めた
更新と同時に、11月に見る数字を決めました。
| 指標 | 現在(7月) | 11月の判断ライン |
|---|---|---|
| 週4日以上の利用者 | 4人 | 12人中8人以上 |
| 用途表に書いた作業の実行率 | — | 60%以上 |
| Copilot固有機能(社内文書検索)の利用 | 1人 | 4人以上 |
| 1人あたり月間削減時間 | 未計測 | 平均3時間以上 |
このラインを下回った場合は、さらに絞ります。上回れば、対象を広げます。「なんとなく続ける」「なんとなくやめる」のどちらも避けるための線引きでした。
半年で215万円のうち、実質的に価値が出ていたのは4人分・約27万円です。残りは授業料になりました。ただしこの会社は、授業料の内訳を数字で説明できる状態にはなりました。次の判断はそこから始められます。
生成AIツールの契約を「入れたけど使われていない」まま更新してしまうケースは、規模を問わず起きています。えらびの道では、半日の単発研修と標準コースに加え、実業務に伴走するコーチングを提供しています。今回のような場面では、利用状況レポートの読み解き方、部署ごとの用途棚卸し(上記のような表を実際に埋めるところまで)、ライセンス数と汎用AIの使い分けの整理を一緒に進めます。研修費用については人材開発支援助成金や自治体の補助金の対象になる場合があり、要件確認と申請書類の準備もあわせてご相談いただけます。
ライセンスを見直す前に、えらびの道でお手伝いできること
合同会社えらびの道は、大分県の中小企業に向けて生成AIの業務活用研修を行っています。ただ、研修だけを専門にしている会社ではありません。普段はシステムの受託開発と自社サービスの運用をしていて、生成AIはその現場で毎日使っている道具のひとつです。
研修では、汎用的な事例ではなく、貴社が実際に使っている書類をそのまま題材にします。案件ごとにたまったメールのスレッド、仕入先別の集計表、会議の議事録といった、毎週必ず発生する作業のどこに貼り付けられるかを一緒に探します。ツールの説明で終わらせず、翌日から使える形で持ち帰っていただくことを目指しています。
事前のヒアリングに伺うのも、研修当日に立つのも同じ人間(代表の喜多)です。どの部署がどの作業に時間を取られているかを先に伺ってから内容を決めるので、研修が終わってから使い道を探す、という順番にはなりません。すでに導入済みのツールがある場合は、利用状況の見方からご一緒することもできます。
解約か継続かで迷っている段階でも、まだ何も決まっていない段階でも構いません。オンラインで30分、費用はかかりませんので、えらびの道にお気軽にご相談ください。
よくある質問
Microsoft 365 Copilotは契約期間の途中で解約できますか?
年間契約の場合、途中での解約や減数がどう扱われるかは、契約形態や購入経路によって変わります。記事の会社も、更新のタイミングに合わせてライセンス数を見直しました。まずは自社の契約更新日を確認したうえで、途中で減らせるかどうかは販売代理店やMicrosoftの窓口にご確認ください。
最初は何ライセンスから始めるのが安全ですか?
適正な数は会社ごとに違うため、一概には言えません。目安になるのは「週1回以上、決まった形で発生する作業」を本人が挙げられるかどうかです。記事の会社も、用途を先に書き出せた人に絞って配り直しました。人数から決めるより、用途から決めるほうが外しにくくなります。
ライセンスを外す人には、どう説明すればいいですか?
「使っていないから取り上げる」と伝えると、評価を下げられたように受け取られがちです。記事の会社は、用途が特定できた作業を基準に配り直し、複数の人が挙げた共通作業はテンプレートにして全社へ配りました。人ではなく作業を基準にすると、説明もしやすくなります。
この記事は、生成AIで下書きを作成し、実務経験にもとづいて内容を確認・編集したうえで公開しています。制度・金額・要件は年度や状況によって変わるため、実際のご判断の前に公式の窓口でご確認ください。
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