
AI研修を社内講師でやれば費用は浮くのか — 助成金を入れて外部委託・eラーニングと並べ直すと順位が変わる4つの見落とし
秋から始める研修の予算を組む時期になりました。見積書を何社か取ってみると、外部委託の金額を見て「これなら社内の詳しい人にやってもらったほうが安いのでは」という話が出てきます。実際に安く済むこともあります。ただし比較の仕方を間違えると、内製が安く見えるだけの表ができあがります。
厄介なのは、そこに助成金が入ると順位が入れ替わることです。社内講師・外部委託・eラーニングの費用を並べ直すときに実際に起きる見落としを、4つ挙げます。
社内講師の人件費を「0円」のまま比較表に載せる
外部に頼めば請求書が届きます。社内でやれば請求書は届きません。この差がそのまま「内製は安い」という結論になってしまうのが、一番多い見落としです。
なぜ起きるかというと、社内講師の準備時間はどの勘定科目にも乗らないからです。時間を食うのは当日の3時間ではなく、その前の教材づくりです。生成AIの研修は特に、自社の業務に合わせた例題を作る作業が重く、外注しない限り講師役の残業として吸収されます。
防ぎ方は、時間を金額に換算して同じ表に載せることです。時給換算3,000円の担当者が教材作成に30時間、リハーサルに5時間、当日と後片付けに10時間を使うとすれば、それだけで13万5,000円になります。ここに受講者30名分の拘束時間が乗ります。これは考え方を示すための試算で、単価も所要時間も会社ごとに変わります。
洗い出しはAIに手伝わせると早く終わります。
あなたは社内研修の企画担当です。社内講師でAI研修を実施する場合に
かかる「社内の作業時間」を洗い出してください。
- 対象: 事務・営業の30名(3回に分けて実施)
- 1回あたりの講義時間: 3時間
- 講師役: 総務課長(生成AIの利用経験は半年)
出力形式は次の表にしてください。
| 作業 | 担当 | 想定時間 | 誰の時間か(講師/受講者/事務) |
教材作成、リハーサル、当日運営、受講記録の作成、
助成金の実施報告用の書類づくりまで含めてください。
自社実施と外部委託で、対象になる経費の範囲が違うことを確かめない
人材開発支援助成金には、自社で行う訓練と、外部に委託したり外部の講座を受けさせたりする訓練の区分があります。この区分によって、助成の対象として認められる経費の範囲が変わります。
見落とす理由は、比較表を作る段階では助成金がまだ「後で申請するもの」の扱いで、金額欄に入っていないからです。助成前の金額だけを並べると内製が一番安く、助成後で見ると順位が変わることがあります。
防ぐには、比較表に「助成を考えない場合の金額」と「助成が認められた場合の見込み」の2列を作り、方式を決める前に区分を確定させます。ただし見込み額は断定できません。助成率も上限額も年度ごとに見直されるため、厚生労働省の人材開発支援助成金のページで最新のコース別の支給要領を確認し、自社のケースが対象になるかは管轄の労働局に事前に相談してください。
eラーニングを1人あたりの単価で選び、受講記録が出せない契約をする
eラーニングは1人あたり月額で見えるので、人数が多いほど安く見えます。ところが実施報告では「誰がいつ何時間受けたか」を示す必要が出てきます。視聴ログを画面でしか確認できないサービスだと、報告のたびに画面を集めて回る作業が発生します。
なぜ起きるかというと、選定の判断がコンテンツの中身と単価に寄っていて、ログの出力仕様まで見ないからです。契約後に「CSVでは出せません」と分かっても、途中で乗り換えることはできません。
防ぐには、契約前に3点だけ聞いておきます。開始と終了の時刻が記録されるか、受講者ごとにCSVで出力できるか、中断と再開の履歴が残るか。記録の残し方そのものはAI研修の助成金は「終わってから」では間に合わないで整理しています。
全員分をまとめて買い、使わない人の分を費用に数えない
研修もeラーニングも、人数を掛ければ1人あたりの単価は下がります。そのため「せっかくだから全員に」となりがちです。しかし受講率が半分なら、実質単価は2倍です。同じことがツールのライセンスでも起きるのはMicrosoft 365 Copilotを全社40ライセンス入れて半年、毎日使っていたのは4人だったで書いたとおりです。
なぜ起きるかというと、予算の議論では「1人あたりいくら」が最も使いやすい説得材料だからです。防ぐには、受講後に使う場面を具体的に言える部署から始めて、人数を絞ります。助成金の側から見ても、受講しなかった人がいる回は説明が必要になります。
3つの方式を1枚の表に並べ直す
見落としを埋めたうえで、同じ枠に入れ直します。金額の前に、何が見えていて何が隠れているかを揃えるほうが先です。
| 実施方式 | 見積書に出てくるもの | 見積書に出てこないもの | 実施報告で提出を求められるもの |
|---|---|---|---|
| 社内講師で実施する方式 | 会場費と教材の印刷代など、外部に支払うもの | 講師役の準備時間と受講者の拘束時間など、社内で吸収されるもの | 訓練の実施記録と、受講者の出勤に関するもの |
| 外部の講師に委託する方式 | 講師料・教材費・交通費など、契約書に書かれるもの | 事前打ち合わせと会場手配など、担当者が動くもの | 契約書と請求書、支払いを証明するもの |
| eラーニングを使う方式 | ライセンス料と初期設定費など、月額で請求されるもの | 受講の督促と進捗管理など、事務が抱えるもの | 受講ログと、視聴時間を証明するもの |
もうひとつ、助成金の入金が実施の翌期になる点も表に反映してください。支払いは先に全額出ます。この時間差はAI研修の費用は先に全額出て、助成金は後から戻るで扱っています。項目立てはAIに作らせて、金額は自社で入れるのが早い進め方です。
次の3案について、費用を「支払う費用」と「社内で消える時間の費用」に
分けた比較表の項目を立ててください。金額は私が入れるので空欄で構いません。
案A: 社内講師で実施する
案B: 外部の研修会社に委託する
案C: eラーニングを契約する
条件:
- 人材開発支援助成金の申請を検討している
- 助成金の入金は実施の翌期になる想定
- 各案について「助成の対象として説明しにくい費用」を1行ずつ指摘してください
えらびの道では、生成AIの業務活用研修を半日の単発と標準コースで提供しています。研修だけで終わらせず実務に伴走して定着させるコーチングも別に用意しています。人材開発支援助成金や自治体の補助金を使う場合の計画づくりと、実施報告で必要になる記録の設計にも対応します。今回のように内製と外部委託を並べて比べたい段階でも、比較表の項目を一緒に立てるところからご相談いただけます。
実施方式の比べ方から助成金の申請まで、えらびの道でお手伝いできること
合同会社えらびの道は、大分県の中小企業に向けて生成AIの業務活用研修を行っています。研修だけを専門にしている会社ではありません。普段はシステムの受託開発と自社サービスの運用をしていて、生成AIはそこで毎日使っている道具のひとつです。お伝えするのは机上の知識ではなく、日々の仕事で確かめてきたことです。
研修では、貴社が実際に使っている書類をそのまま題材にします。この記事で挙げた社内の作業時間の洗い出しや、社内講師・外部委託・eラーニングを並べる比較表づくりも、一般的なサンプルではなく貴社の見積書と研修計画で進めます。汎用的な事例を眺めて終わるのではなく、翌日から使える形で持ち帰っていただくことを大事にしています。
大分市の人材育成応援事業などを使う場合は、申請書類の作成もお手伝いします。実施報告で求められる受講記録の残し方も、教材づくりと合わせて整えます。研修当日に立つのも、事前のヒアリングに伺うのも同じ人間(代表の喜多)ですので、聞き取った内容と当日の題材がずれることはありません。
まずは現状をお聞かせください。オンラインで30分、費用はかかりません。内製と外部委託のどちらで進めるか迷っている段階でも構いません。
よくある質問
AI研修は社内講師でやったほうが費用は安く済みますか?
支払う金額だけを見れば安く見えますが、教材作成と受講者の拘束時間を金額に換算すると逆転することがあります。助成の対象になる経費の範囲も自社実施と外部委託で異なるため、両方を同じ表に載せてから判断してください。
社内講師で行った研修にも助成金は使えますか?
自社で行う訓練にも制度上の区分は用意されていますが、対象として認められる経費の考え方は外部委託と異なります。年度ごとに要件が見直されるため、最新の支給要領を確認し、自社の計画が該当するかは管轄の労働局に事前に相談するのが確実です。
eラーニングの費用は助成の対象になりますか?
コースや訓練の区分によって扱いが変わり、受講時間の記録方法も対面と同じではありません。契約前に受講ログをCSVで出力できるかを確認したうえで、対象になるかどうかは最新の支給要領と窓口で確かめてください。
この記事は、生成AIで下書きを作成し、実務経験にもとづいて内容を確認・編集したうえで公開しています。制度・金額・要件は年度や状況によって変わるため、実際のご判断の前に公式の窓口でご確認ください。
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