AI研修の講師を「AI導入コンサル」に頼んだら助成金の対象外と言われました — 訓練実施者・カリキュラム・講師要件で秋の研修が弾かれる4つの分岐

この記事の事例は、実際にいただくご相談をもとにした想定ケースです。特定の企業を指すものではありません。

「日ごろ相談しているAI導入コンサルタントに10月からの研修講師をお願いする予定でしたが、労働局に事前相談したら対象外かもしれないと言われました」というご相談を、8月に入って続けていただいています。止められた理由は、その方の実力や実績ではありませんでした。

弾かれたのは講師の腕ではなく、訓練実施者の欄でした

事業内訓練と事業外訓練

人材開発支援助成金では、訓練を自社で行う事業内訓練と、外部へ委託する事業外訓練を分けて扱います。外部の講師に来てもらう形は事業外訓練に当たりますので、審査の起点は訓練の中身より前に「誰に委託したか」に置かれます。講師個人がどれだけ詳しくても、委託先が要件から外れていれば手前で止まります。

支給要領とコース別のパンフレットは厚生労働省の人材開発支援助成金のページにまとまっています。要件も様式も年度ごとに改定されますので、必ず最新の支給要領と管轄の窓口で確認してください。

訓練実施者として想定されているのは、施設か教育訓練の事業者です

事業外訓練の委託先として要領が挙げているのは、公共職業能力開発施設、職業能力開発総合大学校、申請する事業主以外の事業主や事業主団体が設置する施設、専修学校や各種学校等、そしてこれらと同程度に職業に関する知識・技能・技術を習得させることを目的とする教育訓練を行うものです。

個人で活動しているコンサルタントが自動的に外れるわけではありません。分かれ目は、教育訓練を事業として行っていることを書類で示せるかどうかです。

見積書の記載 助成の目線で見られる点 発注前に取り寄せる資料
講師名が「AI導入コンサルタント」だけの記載 訓練実施者が法人か個人事業主かという点 登記事項証明書や事業案内などの資料
コンサルティング契約に研修を含めた一式の記載 教育訓練を事業として行っているかという点 定款や過去の研修実績が分かる資料
顧問料の中に研修費を混ぜた記載 事業外訓練の委託先に当たるかという点 研修だけを切り出した委託契約書などの資料
「AI活用セミナー(意識改革編)」という記載 職務に関連した専門的知識・技能かという点 科目と時間数まで入った訓練カリキュラムの資料

科目名が「ChatGPT体験会」のままでは、職務との関連が読み取れません

カリキュラムの記載項目

訓練カリキュラムには、実施日と時間帯、科目、内容、時間数、講師名、実施場所を書きます。落ちやすいのは、意識改革や動機づけを主目的とした内容、趣味・教養に寄った内容、通常の業務の中で行われる説明です。

「生成AIの最新動向」「ChatGPT体験会」という科目名だけでは、貴社の職務との関係が読み取れません。「見積書の下書き作成」「作業手順書の改訂」のように、既存の職務へ接続した科目名に書き直すほうが説明が通ります。見積書の側の直し方は、対象経費と対象外を分ける落とし穴にまとめています。

あわせて読みたいAI研修の見積書を助成金の目線で読み直す — 対象経費と対象外を分ける4つの落とし穴と、10月開始に向けた8月の確認5項目

講師が貴社の顧問だと、事業外訓練ではなくなります

三つ目は契約の形です。講師個人が貴社の役員や従業員、あるいは資本関係のある会社の方であれば、外部委託ではなく事業内訓練として扱われる可能性があります。顧問料に研修費を含めている場合も、委託の実体が書面から見えません。

事業内訓練になりますと、講師の資格や実務経験の要件、対象になる経費の範囲が別の条件へ切り替わります。社内で講師を立てる場合との比較は、社内講師でやれば費用は浮くのかで並べています。

あわせて読みたいAI研修を社内講師でやれば費用は浮くのか — 助成金を入れて外部委託・eラーニングと並べ直すと順位が変わる4つの見落とし

実訓練時間数は、拘束時間から削ったあとの数字です

実訓練時間数の目安

四つ目は時間です。事業展開等リスキリング支援コースのご案内(詳細版)などでは、実訓練時間数が10時間以上であることが要件として示されています。ここでいう時間は、休憩、移動、開講式、懇親の時間を除いたあとの数字です。

半日研修を5回、各回10時から17時と書いても、休憩と対象外の時間を差し引くと10時間を割ることがあります。時間数はコースごとに定めがあり年度で見直されますので、カリキュラムを固める前に窓口へ当ててください。

発注前に書面で確かめておくと、実施報告まで効いてきます

発注前に踏む手順

見積書と講師プロフィールが手元にある段階で、確認事項を洗い出しておきます。

あなたは中小企業の人材育成担当を補助する役割です。
以下の見積書と講師プロフィールの記載から、発注前に研修会社へ確認すべき事項の一覧を作ってください。

【材料】
- 見積書の記載: 「生成AI活用研修 全5回/講師: AI導入コンサルタント/一式」
- 講師プロフィール: 個人名、AI導入支援の実績のみ記載、法人格の記載なし
- 実施形態: 当社会議室での集合研修、10月開始予定

【出力】
1. 訓練実施者が何者かを示す資料として依頼する書類の候補
2. カリキュラムに追記を求める項目(科目名・時間数・講師名など)
3. 契約形態について確認する質問文(顧問契約との切り分けを含む)
4. 実施後に研修会社から受け取る必要がある書類の候補

※ 助成金の支給可否の判断は書かないでください。
※ 確認すべき論点の整理だけを出してください。

支給申請では、訓練実施者に記入してもらう書類も出てきます。様式の構成は人材開発支援助成金の申請書類一覧で確認できます。研修が終わってから講師へ依頼すると連絡が取りにくくなりますので、発注書と一緒に記入を依頼しておくと後が楽です。受講記録や出勤簿の扱いは、開始前に決めておく残し方の側で先に固めておいてください。

えらびの道では、半日の単発研修から標準コースまで、生成AIの業務活用研修を提供しています。研修だけで終わらせず、実業務に伴走するコーチングも用意しています。この記事で扱った範囲では、貴社の職務に接続した科目名と時間数まで書いたカリキュラムを一緒に作り、見積書の記載を訓練計画届と同じ言葉に揃えるところをお手伝いします。人材開発支援助成金や自治体の補助金を使う場合も、支給の可否を判断する立場ではありませんので、要件の確認は労働局や社会保険労務士と進めていただく前提で、書類の側を整えます。

講師とカリキュラムの要件まで、えらびの道でお手伝いできること

合同会社えらびの道は、大分県の中小企業に向けて生成AIの業務活用研修を行っています。とはいえ研修専門の会社ではなく、普段はシステムの受託開発と自社サービスの運用が本業です。生成AIはその現場で毎日使っている道具のひとつですので、机上の知識ではなく、実際に手を動かしてきた前提でお話しできます。

研修では、貴社が実際に使っている書類をそのまま題材にします。「ChatGPT体験会」のような科目名ではなく、見積書の下書き作成や作業手順書の改訂といった、既存の職務に接続した形で内容を組み立てます。汎用的な事例ではなく、翌日から使える形で持ち帰っていただけるようにしています。

助成金を使う場合は、科目と時間数まで入った訓練カリキュラムなど、委託先としてお出しする書類もご用意します。大分市の人材育成応援事業などであれば、申請書類の作成からお手伝いしています。事前のヒアリングに伺うのも当日に研修を行うのも同じ人間(代表の喜多)です。

秋の発注の前に、手元の見積書と科目名がどの分岐に当たるのか整理したい、という段階でも構いません。えらびの道では、オンラインで30分ほどの相談をお受けしています。費用はかかりませんので、まずは現状をお聞かせください。

よくある質問

AI研修の講師を個人のコンサルタントに頼むと助成金は使えませんか?

個人であることだけを理由に外れるわけではありません。事業外訓練の委託先として、職業に関する知識や技能を習得させる教育訓練を事業として行っていることを、定款や実績で示せるかどうかが分かれ目になります。最新の支給要領と管轄の労働局で、その方の形態が該当するか確かめてください。

顧問をお願いしているコンサルタントに研修も頼んでよいですか?

頼むこと自体は問題ありませんが、助成金の扱いは変わる可能性があります。貴社と資本関係や役員の関係がある場合は事業外訓練に当たらないと判断されることがありますので、顧問契約と研修の委託契約を分け、請求も切り分けたうえで窓口に相談してください。

カリキュラムはどこまで細かく書けばよいですか?

実施日と時間帯、科目、内容、時間数、講師名、実施場所が読み取れる粒度が目安です。科目名は「AI活用セミナー」ではなく、見積書作成や手順書改訂といった職務名で書くほうが、訓練の目標と接続しやすくなります。様式や記載事項は年度で変わりますので、最新版で確認してください。

ご相談は、お電話が一番早いです

研修の内容・料金・補助金の使い方まで、その場でお答えします

097-507-3082

不在時は折り返しご連絡します

この記事は、生成AIで下書きを作成し、実務経験にもとづいて内容を確認・編集したうえで公開しています。制度・金額・要件は年度や状況によって変わるため、実際のご判断の前に公式の窓口でご確認ください。

あわせて読みたい