
年末の資金繰り表をChatGPTに作らせたら賞与は月割り、借入返済と中間納付は抜けていました — 月次試算表を渡す前に見直す4つのずれ
この記事の事例は、実際にいただくご相談をもとにした想定ケースです。特定の企業を指すものではありません。
年末に向けて資金繰り表を作り直すときに、月次試算表をChatGPTに貼り付ける会社が増えています。表はすぐにできあがり、各月の残高もきれいにプラスで並びます。ところが中身を見ると、冬の賞与は12か月に均され、借入の元金返済と税金の中間納付はどこにも入っていません。試算表は損益を見るための資料で、お金が動く日を示す資料ではないためです。この記事では、試算表をそのまま渡したときに起きる失敗を順に取り上げます。
売掛金の入金が、売上を立てた月に入っていました
ChatGPTは、試算表の売上高をその月の入金として扱いがちです。月末締め翌々月末払いの得意先が多い会社では、11月の売上が実際に入金されるのは1月末です。このずれを見ないまま年末の残高を読むと、12月の手元資金を多く見積もってしまいます。防ぐには、得意先ごとの締め日と回収条件の一覧を試算表と一緒に渡します。売掛金の前月残高と当月の回収額を並べておくと、回収のずれを表の上で確かめられます。
借入の元金返済と中間納付が、表から抜けていました
損益計算書に出てくるのは借入の利息だけで、元金の返済は出てきません。法人税や消費税の中間納付も、試算表では仮払として貸借対照表に載るだけです。消費税の中間申告は、国税庁の案内にあるとおり、直前の課税期間の年税額が48万円を超えると必要になり、4,800万円を超えると年11回になります。防ぐには、金融機関の返済予定表と前期の申告書の控えを渡し、返済日と納付月を先に書き込ませます。銀行が返済計画のどこを見ているかは、融資相談で質問が止まった事業計画書の記事でも取り上げています。
冬の賞与が、12か月に均されていました
賞与引当金を毎月計上している会社では、ChatGPTはその月割りの金額を毎月の支出として並べます。実際には、賞与は12月にまとめて出ていきます。源泉所得税の納期の特例を受けている会社は、7月から12月までに源泉徴収した分を翌年1月20日に納めます。賞与から天引きした分もここに入るため、1月の支払いが重くなります。防ぐには、賞与・固定資産税・保険の更新料など、年に数回しか出ていかない支払いを一覧にして渡します。
12月31日の入金と支払いが、12月に残ったままでした
銀行法施行令では、12月31日から翌年1月3日までが銀行の休日とされています。月末払いの取引先が12月30日に前倒しするのか、年明けに繰り越すのかは、契約や相手の運用によって変わります。ChatGPTはこうした事情を知らないまま、31日の入金も支払いも12月に置きます。入金だけが年明けにずれて支払いが前倒しになると、12月30日の残高が一時的に足りなくなります。防ぐには、主な得意先と仕入先について休日の扱いを確かめ、その結果を渡します。
試算表と一緒に渡す資料を決めていませんでした
4つのずれは、どれも試算表には書かれていない情報から起きています。
| ずれ | 試算表だけを渡すと起きること | 現金が実際に動く月 | 先に渡す資料 |
|---|---|---|---|
| 入金サイト | 売上を、計上した月の入金として扱われること | 回収条件の日数がたった月 | 得意先別の締め日と回収条件の一覧 |
| 損益に出ない支出 | 元金返済と中間納付が抜けること | 約定の返済日や納付期限がある月 | 返済予定表と前期の申告書の控え |
| 季節の支払い | 賞与が12か月に均されること | 支給する12月と、特例で源泉所得税を納める1月 | 賞与・税・保険の支払い一覧 |
| 銀行休業 | 31日の入出金が12月に残ること | 前倒しした12月か、繰り越した1月 | 取引先ごとの休日の扱いを確かめた結果 |
資料が揃ったら、次のように依頼します。
添付の月次試算表(4〜9月)と次の資料をもとに、
10月〜翌年3月の資金繰り表を作ってください。
・得意先別の締め日と回収条件の一覧
・借入の返済予定表(元金と利息を分けたもの)
・前期の法人税・消費税の申告書の控え
・季節の支払い一覧(賞与、固定資産税、保険の更新など)
・年末年始の休日の扱いを確かめた取引先の一覧
条件:
・損益の金額を月割りで均さず、現金が動く月に置くこと
・経常収支と財務収支(借入・返済)を分けること
・資料から入金月や支払月を決められない項目は、推測で埋めずに質問として一覧にすること
大事なのは最後の条件です。決められない項目を質問として返させると、抜けている支出が残高に紛れずに表へ出てきます。売上や粗利の数字そのものが合わない場合は、着地見込みで粗利が合わなかったときの4つの定義を先に決めておきます。
えらびの道では、生成AIの業務活用を、半日の単発や標準コースで行う「研修」と、実際の業務に伴走して定着させる「コーチング」の2つの形で提供しています。資金繰り表であれば、コーチングで貴社の試算表と返済予定表をもとに、渡す資料の一覧とプロンプトを組み立て、顧問税理士に確認してもらうまでの段取りを一緒に整えます。研修の費用には、人材開発支援助成金や自治体の補助金を使える場合があり、制度の違いはAI研修に使える助成金・補助金のまとめで整理しています。
資金繰り表をAIで作る前の準備から、えらびの道でお手伝いできること
合同会社えらびの道は、大分県の中小企業に向けて生成AIの業務活用研修を行っています。研修専門の会社ではなく、普段はシステムの受託開発と自社サービスの運用をしており、生成AIもそこで毎日使っている道具のひとつです。研修では、現場で確かめた使い方をお伝えします。
研修では、貴社が実際に使っている月次試算表、借入の返済予定表、得意先の回収条件の一覧を題材にします。賞与や中間納付のように年に数回しか出ていかない支払いをChatGPTにどう伝えるかを、貴社の締め日や支払いの流れに合わせて組み立てます。できあがった表のどこを見直すかも、同じ資料を使って確かめます。汎用的な事例ではなく、翌日から使える手順として持ち帰っていただけます。
事前のヒアリングに伺うのも、研修当日に立つのも、代表の喜多です。経理のご担当者が普段どこで手間取っているかを伺った人間が、そのまま研修を進めます。聞き取った内容が研修の題材から抜け落ちにくいのは、この体制のためです。
年末の資金繰り表をChatGPTで作ってみて、気になるところがあればご相談ください。えらびの道では、オンラインで30分のご相談を、費用をいただかずにお受けしています。
よくある質問
ChatGPTで資金繰り表は作れますか?
作れます。ただ、月次試算表だけを渡すと損益の金額をそのまま現金の動きとして並べるため、入金のずれや借入の元金返済、中間納付が抜けてしまいます。回収条件・返済予定表・申告書の控え・季節の支払い一覧を一緒に渡し、決められない項目は質問として返させると、抜けている支出が表に出てきます。
資金繰り表に借入の返済が載らないのはなぜですか?
元金の返済は費用ではないため、試算表の損益には利息しか出てこないからです。資金繰り表を作るときは、金融機関の返済予定表から元金と利息を分けて取り込み、経常収支とは別の財務収支として、約定の返済日がある月に置きます。
年末年始の銀行休業は資金繰りにどう影響しますか?
12月31日から1月3日までは銀行の休日のため、月末に予定していた入金や支払いが、12月30日への前倒しか年明けの営業日への繰り越しになります。入金だけが年明けにずれると年末の残高が一時的に足りなくなるので、主な取引先ごとに休日の扱いを確かめておきます。
この記事は、生成AIで下書きを作成し、実務経験にもとづいて内容を確認・編集したうえで公開しています。制度・金額・要件は年度や状況によって変わるため、実際のご判断の前に公式の窓口でご確認ください。
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