
BCP(事業継続計画)を生成AIで3日で作る — 防災の日に間に合わせる中小企業の実践手順
この記事の事例は、実際にいただくご相談をもとにした想定ケースです。特定の企業を指すものではありません。
BCP(事業継続計画)が後回しになる理由ははっきりしています。作っても普段は使わないからです。売上にも直結しません。しかし取引先から提出を求められたり、補助金の申請要件になっていたりして、急に必要になる。
完璧なものを作ろうとすると終わらないので、まず骨格だけを3日で作ります。1日2時間、合計6時間が目安です。
1日目: 止まったら困る業務を洗い出す
BCPの出発点は「何を守るか」の特定です。すべての業務を守ろうとすると計画が動かなくなります。
最初にやるのは、業務の棚卸しと優先順位づけです。
あなたは中小企業のBCP策定を支援するコンサルタントです。
当社の事業内容をもとに、災害時に「止まると最も困る業務」を
特定したいので、質問してください。
一度に1問ずつ、全部で6問お願いします。
私の回答を踏まえて次の質問をしてください。
【事業内容】
従業員8名。電気工事業。公共工事と民間工事が半々。
工事の受注・施工・請求を自社で行っている。
質問に答えていくと、優先順位が自然に見えてきます。多くの中小企業では「請求業務」と「顧客への連絡手段」が上位に来ます。工事や製造そのものより、お金の流れと連絡の手段が止まるほうが致命的だからです。
洗い出したら、次の表に整理します。
| 業務 | 止まった時の影響 | 何日まで耐えられるか |
|---|---|---|
| 顧客への連絡 | 現場が止まる、信用低下 | 1日 |
| 請求・入金確認 | 資金繰りが崩れる | 3日 |
| 施工作業 | 納期遅延 | 7日 |
「何日まで耐えられるか」が復旧の優先順位になります。
2日目: 初動の手順を決める
BCPで実際に役立つのは、分厚い計画書ではなく最初の1時間に何をするかが書かれた1枚です。
決めるべきことは3つに絞れます。
- 誰が号令をかけるか(社長が不在・連絡不能な場合の代理も)
- どうやって全員の安否を確認するか(手段と、確認できない場合の次の手)
- 顧客・取引先に何をいつ伝えるか
3つ目が抜けている計画をよく見ます。社内の安否確認までは書いてあるのに、取引先への連絡が誰の担当か決まっていない。結果として、全員が「誰かが連絡しただろう」と思い、誰も連絡していない状態が起きます。
以下の条件で、災害発生から最初の3時間で行うことを
時系列のチェックリストにしてください。
担当者を明記し、その人が不在の場合の代理も設定してください。
実行できる粒度で、1項目1行で書いてください。
【会社】従業員8名の電気工事業
【想定災害】地震、震度6弱
【発生時刻】平日の日中(社員は各現場に分散)
【連絡手段】社用携帯、LINEグループ
出てきた案をそのまま使わず、自社で実際にできるかどうかで削ってください。人員8名の会社に対策本部の設置を書いても機能しません。
3日目: 連絡先と代替手段をまとめる
3日目は、いざという時に見る情報を1枚にまとめます。
- 全社員の連絡先(携帯番号。社用が使えない前提で個人の番号も)
- 主要取引先の連絡先と、担当者名
- 金融機関の連絡先
- 事業所が使えない場合の代替場所
- データのバックアップ先と、復旧の手順
この作業自体にAIは不要です。ただし抜けの確認には使えます。
以下は当社のBCP用の緊急連絡先リストです。
中小企業のBCPとして、記載が抜けている項目を指摘してください。
(リストを貼り付け)
なお、この1枚は紙で印刷して保管してください。データだけで持っていると、停電やネットワーク障害の際に見られません。BCPに限っては、紙が最も確実な媒体です。
AIに任せてはいけない部分
1. 自社の実態に関する記述
AIは一般的な中小企業を想定して書きます。自社の人数、設備、取引先の事情は反映されません。骨格をAIで作り、中身は自分で埋めるという分担にしてください。
2. 法令・行政の要件
補助金や入札の要件としてBCPを提出する場合、様式や記載項目が指定されていることがあります。AIが出す一般的な構成と異なる可能性があるため、提出先の様式を先に確認してください。
3. 実行可能性の判断
計画上は正しくても、8名の会社で実行できない手順は意味がありません。「これは自分たちにできるか」の判断だけは人がやる必要があります。
作った後にやること
BCPは作って終わりにすると、必ず陳腐化します。最低限、次の2つだけ回してください。
- 年1回、連絡先を更新する(人の入れ替わりで真っ先に古くなる)
- 一度だけ、安否確認の連絡を実際に流してみる(訓練というより動作確認)
実際に流してみると、連絡がつかない人が必ず出ます。それが分かるだけで訓練の価値があります。
9月1日の防災の日は、この見直しを毎年の習慣にするのに使いやすいタイミングです。
えらびの道では、生成AIを業務に定着させる研修を提供しています。BCPのように「重要だが後回しになる文書作成」は、AIで着手のハードルを下げやすい領域です。
BCPを1枚にまとめるところまで、えらびの道でお手伝いできること
合同会社えらびの道は、大分県の中小企業に向けて生成AIの業務活用研修を行っています。研修を専門にしている会社ではなく、普段はシステムの受託開発と自社サービスの運用をしていて、生成AIはそこで毎日使っている道具のひとつです。そのため、一般論ではなく、実際に使ってみて分かったことをお伝えできます。
研修では、貴社が実際にお使いの書類をそのまま題材にします。BCPであれば、この記事で扱った業務の洗い出しと許容停止日数の整理、初動3時間のチェックリスト、緊急連絡先の1枚を、貴社の人数や取引先の事情に合わせて手を動かしながら作ります。汎用的なひな形ではなく、翌日から使える形で持ち帰っていただきます。
提出先から様式が指定されている場合は、その項目に合わせて進め方を調整します。事前のヒアリングに伺うのも研修当日に立つのも代表の喜多ですので、うかがった貴社の事情がそのまま当日の題材になります。大分市の人材育成応援事業などを使う場合は、申請書類の作成もお手伝いします。
防災の日までにどこまでできるか決めかねている段階でも構いません。えらびの道では、オンラインで30分ほどのご相談を承っています。費用はかかりません。今の状況をうかがったうえで、どこから手をつけるのがよさそうかをご一緒に整理します。
よくある質問
BCPは何人くらいの会社から作る必要がありますか?
人数の基準があるわけではありません。多くは取引先から提出を求められたり、補助金の申請要件になっていたりして必要になります。自社が対象になるかどうかは、提出先や補助金の窓口に確認してください。人数が少ない会社ほど、社長が動けない場合の代理を決めておく意味が大きくなります。
会社の情報を生成AIに入力しても大丈夫ですか?
社員の携帯番号や取引先の名前など、外に出したくない情報は入力しないでください。本記事の手順では、AIに任せるのは質問や構成づくりの部分で、実名や連絡先は自分で書き込む流れになっています。この分担であれば、機密にあたる情報を入力せずに進められます。
地震以外の災害もBCPに入れるべきですか?
まずは1つの想定で骨格を作ることをおすすめします。業務の優先順位と、号令・安否確認・取引先への連絡という初動の3つは、災害の種類が変わっても土台として使えます。余裕ができてから、水害など別の想定を足していくほうが、途中で止まりにくくなります。
この記事は、生成AIで下書きを作成し、実務経験にもとづいて内容を確認・編集したうえで公開しています。制度・金額・要件は年度や状況によって変わるため、実際のご判断の前に公式の窓口でご確認ください。
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