生成AIの利用料が月3万円を超えたら — 中小企業のためのコスト見直し手順

コスト管理生成AI経営判断

生成AIのツールは1つあたりが安いため、増えていることに気づきにくいという特徴があります。月20ドルのプランをいくつか契約し、議事録ツールを足し、APIの従量課金が乗ると、いつの間にか月3万円を超えています。

問題は金額そのものより、何にいくら払っているか誰も把握していない状態です。ここでは30分で終わる棚卸しの手順を書きます。

30分でやる棚卸し

30分の棚卸しの進め方

まず、支払い方法ごとに洗い出します。AI関連費は3つの経路に分散していることが多く、1つの明細を見ても全体像が出ません。

経路 見る場所 見落としやすいもの
法人カード カード明細 年払いで請求月にしか出ないもの
個人カード立替 経費精算の記録 担当者が個人契約したまま精算しているもの
API従量課金 各サービスの管理画面 開発・検証で使った分、停止し忘れた処理

特に見落とされるのが2つ目です。担当者が自分のカードで契約し、毎月経費精算で落としているケースは、カード明細を見ても出てきません。

洗い出したら、次の項目で一覧にします。

  • サービス名
  • 月額(年払いなら12で割った額)
  • 契約者・支払い経路
  • 誰が使っているか
  • 直近1ヶ月で実際に開いたか

最後の項目が肝心です。「使っている気がする」ではなく、実際にログインした記録があるかで判断します。

「使っていないもの」の見分け方

A・B・Cで仕分ける

棚卸し表ができたら、次の3つに分類します。

A. 明確に使っている — 週1回以上、業務で開いている B. 惰性で残っている — 契約したが、直近1ヶ月で数回以下 C. 誰も使っていない — 検証のために契約して、そのまま

Cは即解約で構いません。判断が難しいのはBです。ここで「たまに使うから」と残し続けると、いつまでも減りません。

Bの判定にはこの問いが使えます。「今日この契約が切れたら、明日困る人がいるか」。困る人が具体的に思い浮かばなければ、それはCと同じです。

重複している機能を統合する

中小企業で最も多い無駄は、機能が重なった契約を複数持っていることです。

  • 汎用のチャットAIと、要約専用ツール
  • 議事録の文字起こしツールと、その機能を含む会議ツール
  • 文章校正ツールと、汎用AIの校正機能

汎用のAIサービスは機能追加のペースが速く、去年は専用ツールが必要だった処理が、今は汎用AIで足りることがよくあります。契約時点では正しかった判断が、半年後には無駄になっている。これはサボりではなく、変化の速さによるものです。

だからこそ、半年に一度は見直す前提で契約するのが現実的です。

あわせて読みたいAI導入の稟議は「金額」では決まらない — 役員会に諮る会社と現場で止める会社を分けた4つの判断ミス

解約する前に確認すること

解約前に確認すること

解約を決めたら、実行前に3点だけ確認してください。

1. 保存されているデータの扱い

過去の会話履歴、アップロードした資料、生成した文書。解約と同時に消える場合があります。必要なものは事前に書き出してください。

2. 年払いの残期間

年払いの契約を途中解約しても返金されないことが多く、その場合は期間満了まで使い切ってから解約するのが得です。「解約」ではなく「自動更新の停止」を設定します。

3. 業務フローへの組み込み

誰かがその出力を前提に仕事をしていないか。特に定型作業に組み込まれている場合、解約が業務停止に直結します。

棚卸し表をAIに作らせる

一覧の整理そのものは、AIに任せると早く終わります。

以下は当社が契約している生成AI関連ツールのリストです。
これを表形式に整理し、機能が重複している組み合わせを指摘してください。
また、解約を検討すべき候補を理由つきで挙げてください。

・ChatGPT Plus 月20ドル 総務が使用 週3回
・議事録作成ツール 月8000円 全社 月2回
・文章校正ツール 月3000円 契約したが直近利用なし
・画像生成サービス 月15ドル 販促担当 月1回
(以下、自社のリストを続ける)

判断そのものはAIに委ねず、整理と論点出しに使うのが適切です。契約の要否は、社内の業務実態を知っている人にしか判断できません。

減らすことより「把握していること」が重要

対価で判断する例

コスト見直しの目的は、金額を削ることだけではありません。何にいくら払い、それが何を生んでいるかを説明できる状態を作ることです。

月3万円のAI関連費が、月20時間の作業削減を生んでいるなら、それは削るべきコストではありません。逆に、誰も使っていない契約が月1万円あるなら、金額の大小に関わらず整理すべきです。

判断の基準は「高いか安いか」ではなく「対価として何を得ているか」に置いてください。

えらびの道では、生成AIの業務活用を定着させる研修とコーチングを提供しています。ツールを増やすより先に、いま持っているものを使い切れているかを見直すほうが、効果が出るケースは少なくありません。

生成AIの費用を見直すところから、えらびの道でお手伝いできること

合同会社えらびの道は、大分県の中小企業向けに生成AIの業務活用研修を行っています。研修だけを専門にしている会社ではなく、普段はシステムの受託開発と自社サービスの運用をしていて、生成AIもそこで毎日使っている道具のひとつです。ツールの契約と解約、従量課金の増減も、自分たちの支払いとして経験しています。

研修では、汎用的な事例ではなく貴社が実際に使っている書類をそのまま題材にします。この記事で書いた棚卸し表や、A・B・Cの仕分け、重複した機能の統合をどう判断するかも、貴社の契約状況に合わせて一緒に整理できます。「この専用ツールは今も必要か」といった判断は、実際の業務を見ないと決まらない部分だからです。

大分市の人材育成応援事業などの補助金を使う場合は、申請書類の作成もお手伝いします。ヒアリングに伺うのも研修当日に立つのも同じ人間(代表の喜多)なので、事前に聞いた話がそのまま当日の題材になります。

まずは現状をお聞かせください。オンラインで30分、費用はかかりません。契約の棚卸しをどこから始めるか、その場でご相談いただけます。

よくある質問

社員が個人のカードで契約しているAIツールは、どう扱えばいいですか?

まず棚卸し表に載せて、支払い経路が個人立替であることを記録してください。そのうえで、業務で継続して使うものは会社契約に切り替えるかを決めます。担当者が異動や退職をすると履歴やデータごと引き継げなくなることがあるため、把握しないまま放置しないことが大切です。

APIの従量課金は毎月金額が変わりますが、どう管理すればいいですか?

固定の月額とは分けて記録し、前月比で増えていないかを毎月確認する形が現実的です。急に増えている場合は、検証で動かしたまま止め忘れている処理がないかを見てください。利用上限額や通知を設定できるサービスもあるので、管理画面もあわせて確認するとよいです。

AIツールの利用料は経費として処理できますか?

業務で使っているものであれば経費として扱うのが一般的ですが、勘定科目の分け方や個人カード立替分の処理は会社ごとに異なります。迷う場合は顧問税理士に確認してください。棚卸し表に契約者と支払い経路を残しておくと、経理側への説明がしやすくなります。

ご相談は、お電話が一番早いです

研修の内容・料金・補助金の使い方まで、その場でお答えします

097-507-3082

不在時は折り返しご連絡します

この記事は、生成AIで下書きを作成し、実務経験にもとづいて内容を確認・編集したうえで公開しています。制度・金額・要件は年度や状況によって変わるため、実際のご判断の前に公式の窓口でご確認ください。

あわせて読みたい