電話の一次対応をAIに任せるか、人を1人増やすか — 従業員23名のリフォーム会社が秋の繁忙期前に並べた、取りこぼし37件とクレーム4件の中身

AI活用顧客対応業務効率化

この記事の事例は、実際にいただくご相談をもとにした想定ケースです。特定の企業を指すものではありません。

秋は、夏の暑さで先送りされていた工事の相談が戻ってくる時期です。従業員23名のリフォーム会社で、事務は2名、うち1名は見積と発注を兼ねている、という体制を想定します。社長の相談は「電話の一次対応をAIに任せるか、事務を1人増やすか」でした。

先に結論を書きます。取りこぼした件数だけを見ても、この判断は決まりません。決まるのは、取りこぼしの内訳と、クレームがどこで起きたかを分けたあとです。

出られなかった37件を、用件の種類で分けました

出られなかった37件の内訳

8月の1か月、代表電話の着信を記録し、不在または折り返しになったものを数えると37件でした。ここまでは多くの会社が出せる数字です。分かれるのはその先です。

  • 新規の問い合わせ:11件
  • 施工中の現場・職人からの確認:9件
  • 完工後の不具合や追加依頼:6件
  • 資材メーカー・協力業者:8件
  • 営業電話:3件

37件をひとつの塊として見ると「1人増やせば埋まる」に見えます。種類ごとに分けると、増員で埋まるものと埋まらないものが混ざっていることが分かります。営業電話の3件は、そもそも取る必要がありません。

クレーム4件のうち、3件は電話に出たあとで起きていました

クレーム4件の中身

同じ月に上がったクレームは4件で、中身は次のとおりでした。

  1. 折り返すと伝えたまま翌日になった件(完工後の不具合)
  2. 電話は受けたものの担当者に伝わらず、同じ説明を二度させた件
  3. 訪問日を聞き間違え、現場の予定と食い違った件
  4. 留守番電話に入れたのに折り返しが来なかった件

「出られなかったこと」が原因なのは4だけで、残る3件は受けたあとの引き渡しで起きています。人を増やせば1と4は減りますが、2と3は受けた内容が正確に文字で残っていないことが原因ですので、人数では変わりません。記録の残し方そのものを直す話は、クレーム対応の記録と再発防止を生成AIで仕組み化するで扱っています。

着信メモが手書きで散らばっている場合は、次の形でまとめると分類が早く進みます。

以下は8月の代表電話の着信メモです。1件ごとに次の5項目に分けて表にしてください。
(1) 用件の種類(新規問い合わせ/施工中の確認/完工後の不具合/仕入先/営業)
(2) その場で答えが必要だったか(必要/聞き取って渡せば足りる)
(3) 誰に渡す用件か
(4) 折り返しまでにかかった時間
(5) 判断がつかないものは「不明」と書き、理由を一行添えてください
社名・氏名・住所は伏せ字のまま扱ってください。
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(着信メモを貼り付け)

あわせて読みたいクレーム対応の記録と再発防止を生成AIで仕組み化する — 「謝って終わり」を卒業する3ステップ

AIの一次対応と1人増員を、同じ表に並べます

分類が終わったら、二つの案を同じ材料で比べます。

判断の材料 AIの一次対応が向く場合 人を1人増やすほうが早い場合
用件の型 用件が数種類に収まる場合 一件ごとに聞くことが変わる場合
判断の重さ 聞き取って担当者に渡せば済む場合 その場で工期や金額を答える場合
鳴る時間帯 昼と夕方に山ができる場合 一日中まんべんなく鳴る場合
立ち上がり 台本と引き継ぎ先を決めれば動く場合 採用と教育に数か月かかる場合
費用のかたち 月額で増減を調整できる場合 固定費として毎月出続ける場合
つまずき方 聞き取り漏れが起きる場合 休んだ日に元へ戻る場合

この会社では、事務パートを1名(1日6時間・月20日)採用する前提で人件費を置き、求人広告費と教育期間を足して初年度は約200万円と見積もりました。AIの一次対応は2社から見積を取り、初期設定と月額の合計で年30万〜60万円の幅でした。金額差だけで決めると増員が不利に見えますが、判断は次の項に移ります。投資回収の考え方はAI研修の費用相場と投資回収にまとめています。

あわせて読みたいAI研修の費用相場と投資回収 — 中小企業が知っておくべきこと

貴社の着信の構成しだいで、結論は入れ替わります

着信の構成別に見た結論

条件ごとに結論を書きます。

不在着信の半分以上が新規問い合わせと仕入先の場合は、AIの一次対応が先です。 用件は「どこの誰が、何の件で、いつ折り返してほしいか」に収まりますので、聞き取って渡すところまでで足ります。この会社では11件と8件で、37件の半分を超えていました。

施工中の現場からの確認が最も多い場合は、AIより先に連絡経路を変えます。 職人が代表番号にかけている状態そのものが原因ですので、担当者への直通や工事別のチャットに寄せるほうが早く効きます。

完工後の不具合が多い場合は、人が受けます。 怒っている相手に自動音声が応答すると、一次対応の失敗がそのまま二次クレームに変わります。ここを一律にAIへ流す設計にしないでください。

併用するなら、AIに答えさせない範囲を先に決めます

AIに任せる範囲の流れ

この会社は、新規問い合わせと仕入先の着信だけをAIに受けさせ、完工後の不具合は人に転送する形を選びました。線引きは次のとおりです。AIには名乗り、用件の聞き取り、折り返し先の確認、要約の作成までを任せます。金額、工期、不具合の原因、責任の所在は答えさせません。応答の冒頭で内容を記録することを伝え、案内の文面と保存期間を先に決めておきます。同意の取り方は「録音してもいいですか」だけでは足りませんが参考になります。

引き継ぎメモは、書式を固定するほど事故が減ります。

次の電話の要約を、この順で1件1枚にまとめてください。
会社名/お名前/電話番号/用件の種類/希望日/折り返しの期限/担当者へ渡す一行
聞き取れなかった項目は空欄にせず「未確認」と書いてください。推測で埋めないでください。

えらびの道では、この判断そのものをご一緒します。半日の単発研修では、着信ログとクレーム記録を持ち込んでいただき、貴社の実データで内訳を分ける作業を行います。コーチングでは、応答の台本と引き継ぎメモの書式を実際の電話で回しながら整え、AIに任せない範囲を社内の言葉で決めるところまで伴走します。人材開発支援助成金や自治体の補助金の活用にも対応していますので、費用の組み方も含めてご相談いただけます。

電話の一次対応をどう組み立てるか、えらびの道でお手伝いできること

合同会社えらびの道は、大分県の中小企業に向けて生成AIの業務活用研修を行っています。とはいえ研修専門の会社ではなく、普段はシステムの受託開発と自社サービスの運用が本業です。問い合わせの受け方や記録の残し方は自分たちの現場でも毎日向き合っている題材ですので、机上の整理ではなくお話しできます。

研修では、貴社が実際に使っている着信メモや折り返しの管理表をそのまま題材にします。この記事で扱った用件の種類分け、その場で答えが必要な件とそうでない件の切り分け、受けた内容を担当者へ渡すときの書式づくりを、貴社の電話の中身に当てはめながら進めます。汎用的な事例ではなく、翌日の代表電話から使える形で持ち帰っていただくことを目指しています。

進め方の面では、事前のヒアリングに伺うのも研修当日に立つのも代表の喜多本人です。着信の構成や繁忙期の山を先に伺ったうえで内容を組み立てますので、AIの一次対応と増員のどちらに寄せるかという判断そのものも、材料を並べながら一緒に検討できます。大分市の人材育成応援事業などの補助金を使う場合は、申請書類の作成もお手伝いします。

まずは現状を伺うところからで構いません。えらびの道ではオンラインで30分のご相談をお受けしており、費用はかかりません。

よくある質問

AIの電話一次対応は、何件くらいから検討する価値がありますか?

件数より内訳です。不在着信の半分以上が新規問い合わせや仕入先からの定型的な連絡であれば、月20件台でも折り返し漏れは減ります。逆に件数が多くても施工中の現場確認が中心であれば、AIより担当者への直通に切り替えるほうが効きます。

留守番電話ではなく、AIの一次対応にする意味はありますか?

留守番電話は録音が残るだけで、聞き直す手間と折り返しの判断は人に残ります。AIの一次対応は用件と連絡先を聞き取って要約まで作りますので、担当者は開いた時点で優先順位を決められます。差が出るのは受けたあとの手間です。

電話の内容をAIに聞き取らせるとき、相手に伝える必要はありますか?

応答の冒頭で、自動音声が用件を伺うことと内容を記録することを伝えてください。伝えないまま録音や文字起こしを行うと、後から説明を求められたときに根拠を示せません。案内は短い一文で構いませんので、必ず入れておきます。

ご相談は、お電話が一番早いです

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097-507-3082

不在時は折り返しご連絡します

この記事は、生成AIで下書きを作成し、実務経験にもとづいて内容を確認・編集したうえで公開しています。制度・金額・要件は年度や状況によって変わるため、実際のご判断の前に公式の窓口でご確認ください。

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